" 簡単にできる " 革製品のカビ対策!

皆さんこんにちは!

鹿児島も梅雨に入り、ここ数日湿度の高い日が続いています。紫陽花もいっぱい咲いて、梅雨真っ只中といった感じです。

皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか?雨が降ったり、時おり見せる晴れ間で蒸し暑かったりと。体力的にもダメージが蓄積されがちなこの時期、皆様も暑さにお気をつけてお過ごしくださいね。

この記事はダメージを受けやすい梅雨時期に、ご愛用されている革製品のお手入れって何をしたらいいんだろう?とお思いの、革愛好家のあなたへ贈ります。

革と湿度

皆さんは「革製品」と聞いてどんなものを連想されますか?

革のお財布や革のカバン。革のブーツや革ジャン。大きなアメリカンバイクに取り付けられた武骨なサドルバッグを連想された方もいらっしゃるかもしれません。

ワイルドで武骨なイメージも強い ” 革 ” ですが、意外と繊細でデリケートな一面もあったりするんです。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、実はこの梅雨時期、年間を通して一番と言っても過言ではないほど、革にとって大きなダメージを受けやすい時期なんです。革愛好家の皆様には、どうしてもこの梅雨時期を無事に乗り越えていただきたい。ご愛用品を守っていただきたいと思っています。

僕もこれまで何度も何度もこの梅雨時期にお気にいりの相棒を失うという悲しい思いを経験してきました。

ということで今日は、そんな梅雨時期に皆さんの大切な革アイテムをお守りするちょっとしたお手入れの工夫などをお届けしていけたらと思います。

梅雨時期のダメージ

さて。” 梅雨時期 ” の ” ダメージ “とはどんなものがあるのでしょうか?

革と湿度の関係からダメージを見てみると、極端に湿度が高いと ” カビ ” が発生しやすく逆にカラカラ乾燥しすぎると ” ひび割れ ” が発生しやすいというとってもデリケートな特徴が見えてきます。

このふたつの中で湿度の高い梅雨時期のお悩みと言えば ” カビ ” です。そう、今日のお話しのテーマは『いかにしてカビから相棒たちを守りきるか』という内容です。

これまでの革人生で僕が体験したり見聞きした情報の中で、梅雨を乗り切るために大切ないくつかのカビ対策のポイントをまとめさせていただきました。

●梅雨に入る前のお手入れ編

・ブラッシング

・水気や余分なオイルの拭き取り

●梅雨時期の革の保管方法編

・湿度の高い所に置かない

・防湿剤を上手に使う

●相棒への愛着も深まるお手入れ編

・頻繁にナデナデする

といった感じでしょうか。簡単に一つずつご説明いたしますね。

●梅雨に入る前のお手入れ編

・ブラッシング

まず有効なのはブラッシング。

乾いた布(要らなくなったシャツやTシャツなどの切れ端でもOK!)けばけばが残らない布であれば何でも良しです。

馬毛ブラシや豚毛ブラシがあると尚良しという感じです。ただ、一重にブラシと言っても毛の固さや用途によって種類や特徴がとってもたくさんありかなり奥深い世界です。繊細で傷つきやすいコードバンなどの革には柔らかめの馬毛ブラシを選んだり、革靴と靴底の間の狭い部分のホコリを掻き出したいときは細めのブラシを選んだり、といった感じです。

ブラシをお選びの際は、ご愛用されている革の種類や用途に合わせてお選びいただけたらと思います。ちなみに僕は豚毛ブラシよりも毛質の柔らかいオールマイティーな馬毛ブラシをよく使用しています。

カビというのは、革製品の表面に付着したホコリに水分が集まって発生するケースが多いので、優しくブラッシングしてあげましょう。お財布などで言うと、糸で縫われている縫い穴のへこんだ部分にホコリが溜まりやすいので、ブラシで掻き出してあげるのも効果的です。

僕たち作り手も、くるくるロール状に巻いて保管している大きな1枚革も広げてブラッシングしてあげることで上手に保管できたりします。

・水気や余分なオイルの拭き取り

雨や手についた水でお財布が濡れていたり、お手入れの際オイルを ” 塗りすぎ ” ていることも、カビの原因になり得ます。

乾いた布で拭き取ったり、新聞紙などを詰めて扇風機などを使い風通しの良い環境で陰干しするのがおすすめです。

●梅雨時期の革の保管方法編

・湿度の高い所に置かない

僕の経験上、カビの発生しやすい場所はズバリ靴箱と押入れです。どうしても、古い造りのお家だと湿気が溜まりやすかったりします。

靴箱はたいてい玄関の近くにあるので、雨で湿度の高くなっている外気が入りやすくなってしまいます。

僕は大切な革靴をやられました。

押入れには、いろんな服がぶら下がっていたりしますよね。ぶら下がっている布たちが、お部屋の湿気を吸い込んでくれます。

ここでは大切な革ジャンをやられました。笑

皆様のお住まいの地域の環境やお家の造りにもよるのですが、湿度の高いこの時期だけは、そういった目の届きにくく高湿の可能性のある保管場所から避難させてあげるといいのかなと思います。

ちなみに僕は、自分の部屋の目の届く棚に愛用品たちを保管中です。

・防湿剤を上手に使う

お煎餅の缶に入っているような防湿剤や、カビ取りゾウさん的なやつも効果的です。僕は、革のハギレなどを保管している作業机の下の棚に常備しています。

●相棒への愛着も深まる方法編

・頻繁にナデナデする

ここまでつらつらと書かせていただきましたが、なんやかんや言いましても個人的にこれがシンプルかつ最強なのではないかと思っています。ちょっとパワープレイな気もしますが。

頻繁にナデナデしておけば、革の表面にホコリが溜まるリスクも減り、手の脂でコーティングされるような気もしてきたりしてこなかったり。

ポケットに入るサイズの革製品であれば、無駄にポケットに入れてあげたりすることでホコリの付着も防いでくれたり。

そしてポケットや手で触れることで経年変化も進み、さらにナデナデすることによって愛着もどんどん深まってしまうという一石三鳥。

ぜひ、愛を込めてナデナデしてあげてください。

おわりに

といった感じで梅雨時期に革製品を守る簡単なカビ対策をまとめてみたのですがいかがでしたでしょうか?

世の中には他にもたくさんの素晴らしいケア方法がありますが、皆さんの生活にストレスなく取り入れられそうな方法をお選びいただけたらいいのかなと。これからもこういった情報をキャッチし、試してみて、良い方法が見つかれば発信させていただきますね!

この時期を乗り切って、さらに愛着溢れる革ライフを一緒に楽しんでいきましょう!

こちら⬅️のインスタグラムではジプシーレザーワークスの作業風景などを毎日リアルタイムで発信させていただいております。気になる方はぜひ覗いてみてください。

ジプシーレザーワークス

福田こうじ